フレキシブル基板用コネクタの種類
フレキシブル基板は、目的に応じて接続先のコネクタを利用することができます。本項では、よく使われる専用コネクタについて記載します。
様々なフレキシブル基板専用コネクタ
初期においては、フレキシブル基板用の接続には、硬質(リジッド)基板用コネクタやケーブル用のコネクタが流用されていました。しかしながら、携帯用電子機器にフレキシブル基板が主要配線材料として使われるようになると、より高密度の接続を効率良く行うために、フレキシブル基板専用のコネクタが開発実用化されるようになり、現在では、目的に応じて様々なフレキシブル基板用のコネクタが利用できるようになっています。ここでは、よく使われる専用のコネクタの概要をご紹介します。
FFCコネクタ
フレキシブル基板と硬質基板との接続に使われます。コネクタは、硬質基板にはんだ付け実装され、フレキシブル基板が直接挿入されます。狭ピッチ化、多ピン化に伴い、ロック機能が付いたZIFタイプが増えています。実装密度を高くできるので、携帯用電子機器に幅広く使われています。
BTBコネクタ
フレキシブル基板と硬質基板との接続に使われます。オスメスの対になっており、それぞれフレキシブル基板と硬質基板にはんだ付け実装された上で、互いに接続されます。FFCコネクタに比べてコストが高くなりますが、作業性が良くて信頼性が高いので、スマートフォンなどに多用されています。
ディンプルコネクション
フレキシブル基板のパッド部に突起を作り(裏側から見ればディンプル)、これが相手側の回路やデバイスのパッドに直接接触して、電気的な接続を形成します。パッド部に硬質金めっきを施しておけば、何度でも脱着を繰り返すことができます。はんだ付けが不要であるため、耐熱性のないPETフィルムベースのフレキシブル基板にも適用することができます。このため、インクジェットプリンタの使い捨てカートリッジなどにたくさん使われています。
フライイングコネクタ
金属製の端子をフレキシブル基板の導体に機械的に噛み込ませ、その上にハウジングを被せれば、コネクタ部の完成です。コネクタはオスとメスでワンセットになっていて、何度でも信頼性の高い脱着を繰り返すことができます。はんだ付けが不要であるため、耐熱性のないPETフィルムベースのフレキシブル基板にも適用することができます。スイッチングモジュールなどの接続に広く採用されています。
UTFコネクタ
フレキシブル基板を0.3mm未満という極めて低い(薄い)スペースで接続することができる新しい接続技術です。フレキシブル基板のパッドを相手側の回路やデバイスに接触させ、マイクロバンプアレイが裏側から押し付けます。様々な組み合わせが可能で、カスタム設計が容易です。
< 前の記事 | 記事一覧 | 次の記事 > |
---|